文系組み込みエンジニアのJINOZAです。
今回は新興FPGAメーカーの「Efinix」についてご紹介します。
EfinixはFPGA業界の中でも新興メーカーになります。大手があまり力を入れていない小〜中規模なデバイスを低価格で提供しています。
基板設計に際してそこまで規模感が大きくないのであれば、是非Efinixを候補に入れていただきたいです。
デバイスの置き換え
Efinixの主な用途として、他社の同程度のデバイスと置き換えるというのがあります。
昨今の情勢もあって、ほしいデバイスがなかなか手に入らない状況です。Efinixは流通でも比較的在庫があるので安心して使えると思います。
私は既存の基板で採用していた、XilinxのSpartan6をEfinixに置き換えて基板を作り直した実績がありますが、特に大きな問題もなく動かせています。
おすすめはTrion 0.8ピッチ
使いやすいシリーズとしてはTrion 0.8ピッチが挙げられます。mipi等の高速インターフェイスを使いたければ0.65ピッチを選ぶ必要がありますが、狭ピッチがゆえ配線引き出しのために基板層数が増えてしまいます。層数が増えれば当然コストアップに繋がります。
Interface block
Efinix特有の概念としてInterface blockがあります。
Xilinxでは論理ブロックからピン固定されたI/Oブロックに接続しますが、Efinixでは論理ブロックの周囲にInterface blockが存在しており、Interface blockとユーザー回路を接続する概念になります。
使い始めは少し戸惑うかもしれませんが、そのうち慣れます。
例えばPLLもInterface blockに存在していて、ユーザー回路に対して入力する形になります。
注意すること
EfinixでLVDS出力基板をつくったのですが、レーン間スキューが思いのほか大きかったです。データシートにTyp.200psと書かれていますが、実測するとやはり200ps程度のスキューが確認できました。
受信側がスキューに対して許容度が小さい場合、200psのスキューはデータ取りこぼしの要因になる可能性があります。Trionでは現時点でレーン間スキューを調整する機能がないため注意が必要です。
まとめ
EfinixはFPGAの新興メーカーですが、安価で入手性が良いので、昨今の半導体不足解決の一助になり得ます。
使用実績でも特に問題はなく、小〜中規模の開発であればおすすめです。
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